相続税の申告で注意すべきこと
相続税の申告をする場合に注意すべきことのお話です。
前に何度も触れましたが、”金融財産の申告もれ”に注意が必要です。
“金融財産”とは、現金、預貯金、有価証券(株式、投資信託、公債国債)、保険のことですが、最近の相続税の税務調査は、”金融財産の申告もれの是正みで行われている”と言っても過言ではないと思います。
前回書きましたように、相続税の税務調査の割合は、法人税や所得税に比べると驚くほど高く、約25%ほどと言われていますが、もう少し高い割合と思います。
相続税の申告がされると、税務署は、まず最初に、金融財産の申告もれがないかと、金融機関に照会を行うと言われています。
この結果、疑わしい申告に対して本格的に調査に着手しますが、この割合が、全申告件数の約25%くらいで、調査を行った申告の内、約80%に申告もれが見つかり修正申告を行う羽目になります。
修正申告ということとになりますと、追加で支払う相続税本税だけでなく、延滞税や、加算税といったものも加えて支払うこととなります。
因みに、悪質な財産隠しだとされますと重加算税が賦課されます。この場合、追加で支払う相続税本税が100万円とすると、重加算税は35万円ということになります。
こういうことにならないほうが宜しいと思いますが、如何ですか。
自分なら上手く隠し通せると思われる方がいらっしゃると思いますが、今までの経験からすると、まず無理でしょうね。税務署はすごいですよ。舐めてはいけません。
そこで、相続税の税務調査に入られないようにするには、ということですが、故人様の金融財産と思われるものはもれなく全て相続財産に計上することです。
隠しても何れ税務署に摘発され、結局、税金を支払うことになり、加えて罰金も支払う羽目になるのですから、最初から正直に申告した方が良いということです。
となると、「じゃー相続税の節税対策はできないということ?」とおっしゃられると思いますが、相続税の節税対策はできますし、対策されることを強くお勧めします。
但し、”専門家に相談の上”ということで、一般の方が見よう見真似でなさるのはお勧めできません。
それこそ税務調査により否認され無駄となってしまう確率が非常に高いです。
生前の相続税対策がしっかりと行われていれば、相続争いもなく、相続税の負担も軽く済み、相続税の税務調査も回避できます。
一度税理士に相続対策の相談をされてみてはいかがでしょうか。