税理士に相談しましょう ー その5
相続税の申告や相続税対策をお引き受けした場合によく問題になるのが” 奥様のヘソクリ “です。
このヘソクリの額ですが、だいたい1千万円から4千万円くらいが多く、いままでの最高額は1億2千万円です。
もちろん、奥様が贈与や相続で貰ったものや、奥様が働いて得られた収入であれば全く問題ないのですが、「 旦那の稼ぎは全部私のものよ 」ということで、ご主人様の稼ぎの中からせっせと奥様名義の口座へお金を移動し、一財産を築いていらっしゃる場合が大問題なんです。
これって、ご主人様の財産で、どんな屁理屈をおっしゃられても、決して、決して、奥様の財産なんかじゃーありません。
これを見逃して相続税の申告をしたら、間違いなく所轄税務署の大変ありがたい税務調査を受けることになり、加算税や延滞税といった”お足し”を付けて追加の相続税を納めることになるわけです。
また、このような奥様は、ご主人様のお金を奥様の口座へ移し、さらに、かわいい子供や孫名義の奥様が管理している口座へ移していることがよくあります。”偽装贈与”です。
これも、ほんとに子供や孫にお金を渡して、適切な処理がしてある場合は全く問題無しですが、”偽装贈与”はいけません。
こんなのは、税務署へ貢物をお供えをしているようなものです。
「 子供や孫名義の通帳の印鑑は全部違うから大丈夫!!セミナーでもそう教えてもらいました 」「 渡したお金を使ってしまうといけないから私が管理しています 」なんておっしゃられますが、これは贈与ではありません。贈与を装った相続税の脱税行為です。税務署をなめてはいけません。
それに、セミナーで、「 相続対策のために子供や孫名義の預貯金通帳を印鑑変えて作り、その口座へお金を移し、管理しましょう 」なんてことを言っているのでしょうか。あり得ないと思いますが。
税務署が相続税の税務調査に着手する際の最大のポイントは、この”奥様のヘソクリ””偽装贈与”なんです。
このケースが、現在相続税の税務調査で指摘を受ける一番多い事例ではないかと思います。
財産の隠匿を別にすれば、このケース以外に相続税の税務調査が入ることは無いと言っても良いくらいです。
もしもこんな”ヘソクリ”があり、ご主人様のご相続時には申告が必要な奥様は、できるだけ早く税理士に相談しましょう。
早ければ早いほど有効な対策が行え、お望みの節税につながります。