税理士に相談しましょう ー その3
“アパートを借金で建てると相続対策になるから”と、熱心に勧めてくる業者が多いようです。
業者が提供する資料を拝見しますと、全棟一括借上方式の家賃保証タイプのもので、”借入金の元利返済額、固定資産税、将来の修繕積立、必要経費、所得税”などを細かく考慮し、堅実にまじめに作成されていて、感心します。
たしかに、全額借金で1億円のアパートを建てると、1億円のアパートの相続税評価額は、4,200万円くらいになり、相続発生時に借金が1億円残っていれば、差引5,800万円を他の財産から差し引くことができ、相続税率が10%なら580万円ほど、20%なら1,160万円ほど節税できる計算となります。
こんな提案を聞くと、毎年の固定資産税の心配もいらなくなるし、相続税が安くなり、毎年180万円も貯金ができるなら、「やってみるか」という気になりますね。
アパートローンは、通常30年から35年返済が多いのですが、30年返済とすると、30年間にアパートが借入金も返済してくれ、固定資産税を負担しくれ、なおかつ30年間で5,400万円も現金を残してくれるし、借入金を完済すれば月々の元利返済金35万円も手元に残るようになり、”月々50万円も現金が残るようになる”なんてことを聞けば、「契約書を持って来い」ということになるのでしょう。
本当に”アパートを借金で建てると相続対策になる”のでしょうか?
10年、15年、30年経過時点の収支及び損益(税金)の試算をしていますか?
毎年180万円も貯金できるはずだったのに、まさか所得税・住民税ががこんなになるなんて、、、、てなことを想定していますか?
借金を完済すると、相続財産が増えるますが、よろしいのでしょうか?
“アパートを借金して建てる”こと以外に有効な相続対策はないのでしょうか?
実行に移す前に、専門家の意見をちょっと聞いてみることが必要かもしれませんよ。